第3の案
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26第3の案まで伸びる。藻類と菌類は結合して地衣類をなし、他の生物は育たない岩肌で増殖する。鳥がV字隊形をとって飛ぶ時は、羽ばたきによる上昇気流に乗って、単独で飛ぶ時のほぼ二倍の距離を飛ぶことができる。二本の木材を重ねれば、一本で支えられる重量の合計をはるかに上回る重量を支えられる。水滴中の微小な粒子がいっしょになって、同じものが一つとしてない雪の結晶を生み出す。これらのどの例でも、全体は部分の総和よりも大きくなるのだ。一+一は二だが、シナジーが働いている場合はそうはならない。たとえば、機械で一インチ当たり(PSI)六万ポンドの力を鉄棒にかけたら、その鉄棒は壊れる。同じサイズのクロムの棒は約七万 PSIで壊れる。ニッケルの棒なら約八万 PSIである。したがって、鉄とクロムとニッケルを混ぜて一本の棒にしたら、二一万 PSIまで耐えられる計算になる。ところが実際はそうではない。鉄、クロム、ニッケルを一定の割合で混ぜてできた金属棒は、三〇万 PSIまで耐えられるのである。三〇万 PSIから二一万 PSIを差し引くと九万 PSIになる。この九万PSIの強さは、どこからともなく湧いて出たかのようだ。鉄・クロム・ニッケル合金の強度は、個々の強度の和を四三%も上回る。それがシナジーである。*3ジェットエンジンを飛行機で使えるのは、この強度のおかげである。弱い金属なら、ジェットのものすごい熱と圧力で溶けてしまうが、ニッケルクロム鋼なら、普通の鉄鋼よりもはるかに高い温度まで耐えられるのである。これと同じシナジーの原則が人間にも当てはまる。何人かで協力すれば、個々人の強みが相まって、だれも予想していなかったことを成し遂げられる。音楽は人間のシナジーの好例であろう。リズム、メロディ、ハーモニー、個々人の演奏スタイルが融合し、

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