第3の案
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24第3の案問題を解決するには相手を説得してパラダイムを変えさせるか、こちらの案を押しつけるしかない。これは私のセルフイメージを守る唯一の方法でもある。私は勝たねばならず、あなたは負けなくてはならないのだ。逆に、私が自分の地図を捨て、あなたの地図―第2の案―に従ったら、その場合も私は同じ問題にぶつかる。あなたの地図も完全ではないのだから、その地図に従っていくというのは、私にとって大きな犠牲を伴う。あなたは勝つかもしれないが、私は負ける公算が高い。しかし、私たちはお互いの地図を組み合わせることができる。これならばうまくいきそうだ。両者の見方を含めた地図ができるのである。私はあなたの見方を理解し、あなたは私の見方を理解する。これは一歩前進だ。それでもお互いの目標は相容れないままかもしれない。私はやはり森に手をつけたくはないし、あなたは森に埋蔵される石油を掘削したい。あなたの地図を完全に理解したがために、私はあなたをもっと激しく攻撃するかもしれない。しかしここから核心に入っていく。私があなたに「お互いに思ってもいなかった、より良い解決策を見出せるかもしれませんよ。まだ考えたこともない第3の案を探してみませんか?」と働きかければ、状況は一変する。このような働きかけをする人は滅多にいない。しかしこれこそが対立を解決し、さらに未来も変える鍵なのである。シナジーの原則私たちはシナジー(相乗効果)というプロセスを通って、第3の案を見出す。シナジーが起こると一+一
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