『第3の案』発刊にあたって

2010年、2011年と2年連続で来日し、多くの方々に感動と共感を与えたコヴィー博士の最新刊をようやく皆様のお手元にお届けできることができ、大変嬉しく思っています。

コヴィー博士は、以前から「7つの習慣」の考え方は、西洋よりもむしろ東洋思想に近いと語っていましたが、今回の来日での皆様の感動によって、まさに世界の東西を超えた原則であることも再認識いたしました。

今回、コヴィー博士は『第3の案』という、これまでの博士の活動の集大成であるかのような大作を発表いたしました。

「第3の案」とは、元来人と人はどちらが勝つかという敵対するものではなく、心からの相互理解と協力によって、素晴らしき第3の案を得ることができるという、人が持つ可能性を追求するものです。それはビジネスや家族、人間関係にとどまらず、社会、そして国家間の関係においても画期的な成果をもたらすものです。

私たちのビジネスにおいても、「既得権の保護か新規ビジネスへの挑戦か」「売上拡大か経費削減か」など、二者択一の論議ばかりです。こうした議論がいかに不毛であるか、お互いが満足する成果を得ることができないかということを、コヴィー博士は見事に実証し、「第3の案」の必要性を説き明かしてくれました。

そしてビジネスの世界だけではなく、家庭、学校、社会、さらに国家間においても、私たちがめざしていることは、お互いが発展することです。つまり、利害対立に勝つのではなく、双方が満足する解決策を見いだすことが私たちには求められているのです。 

二者択一ではない、「第3の案」を選択することは、現在の日本にとっても本当に必要なことだと確信します。

あなたが本書を読み終わられたとき、あなたの内面には、これまで体験したことのない、とてつもなく大きな変化が生まれるでしょう。

それは、コヴィー博士が言う、「クレッシェンドの人生」(何歳になっても萎むことなく大きく良くなる人生)を、「第3の案」として選択する決意にほかなりません。

あなたが何歳であろうと、どのような境遇にいようと、まったく関係ありません。選択するのはあなた自身なのですから。

本書の最後でコヴィー博士が述べている言葉をご紹介しましょう。

「私はあなたの可能性を本心から信じていることを伝えたい。第3の案の人生を生きることを選べば、世界に大きな貢献ができると確信している。あなたは世界に必要とされているのである」

フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社
代表取締役社長 ブライアン・マーティーニ