第3の案
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34第3の案ンのとある大学では、教職員用食堂に神学者がいると科学者は絶対にそこで昼食はとらない!)二者択一思考の人は往々にして、他者を一人の人間として見ず、その人のイデオロギーしか見ない。自分とは違う意見は尊重しないから、理解しようとはしない。尊重する態度を装うだけで、実際には聞く耳を持とうとせず、相手を操ろうとする。二者択一思考の人が他者を攻撃するのは、不安だからである。自分の領分、セルフイメージ、アイデンティティが脅かされていると感じてしまうのだ。その挙句、「探し出して壊す」ことが、自分と相手の違いに対処する戦略になる。こうした人たちにとって、一+一はゼロ以下である。そんな環境でシナジーが起こるわけがない。二者択一思考には、私たちのように普通の、分別ある人間でも容易に引っかかる二極化という陰湿な罠が潜んでいる。それは次ページにある表のようになる。私の側の人は(A欄のどれか)だ、あなたの側の人は(B欄のどれか)だ、という図式である。私はかつて、ほとんどの大人はこうした単純な分類などせず、世界の複雑さを理解しているものだと思っていた。しかし昨今のメディアを見るにつけ、あるいは二者択一でしかものを考えず贅沢な暮らしをしている人たちがいると思うと、いささか心もとなくなってくる。二者択一 対立した状況では、多くの人が「私のやり方」か「あなたのやり方」の視点から考える。だが、シナジーのマインドセットを身につけている人は、二者択一の狭い思考を超越して両方を取り込み、第3の案の解決策を探す。私のやり方あなたのやり方二者択一

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