第3の案
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29第2章 ◆ 第3の案:シナジーの原則、パラダイム、プロセスければ成長はない。値引きという悲惨な下方スパイラルに陥り、いずれ会社はなくなってしまうだろう。しかしプラスのシナジーのマインドになれば、成長し影響力を強めていく良いサイクルに入り、ずっと最先端に立っていられるのである。マイナスのシナジーというのもある。新たな力によって悪いサイクルに拍車がかかる状態だ。たとえば、喫煙は肺がんの原因になる。アスベストも肺がんの原因になる。喫煙し、アスベストを吸っている人が肺がんになる確率は、喫煙単独の確率とアスベスト単独の確率を足した数値をはるかに上回るのである。プラスのシナジーを意識的に避けていると、気づいたらマイナスのシナジーに陥っていた、などということになりかねない。プラスのシナジーは徐々に増していくものではない。継続的改善のプロセスでは製品を改良することはできても、新しい画期的な製品が生み出される可能性は低い。シナジーは人間同士の対立を解決するだけでなく、さまざまな世界初となるものを創造するための根底をなす原則でもある。生産性を飛躍的に上昇させる鍵である。真の創造性を支え、動かす知力である。国、個人、組織のレベルでシナジーが状況を一変させた例をいくつか挙げてみよう。創造的な非暴力伝説のマハトマ・ガンジーの孫にあたるアルン・ガンジーと会った時、彼は祖父の人生について自身の考えを話してくれた。

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