第3の案
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28第3の案クと言うことができる。シナジーを持っているチームは、相手チームのほうが個々の選手の能力では優っていても、スタンドプレーヤーばかりでシナジーのないチームであれば勝てる。個々の選手の運動能力だけで試合の行方を予想することはできない。優れたチームのパフォーマンスは、選手個々人の能力の総和をはるかに超えるのである。人間のシナジーを語る時、これ以上ない例として挙げられるのは、言うまでもなく家族である。すべての子どもは「第3の案」であり、過去に存在しなかった能力、そして未来に同じものが絶対にできない能力を授かった個人である。子どもの能力は、親の能力を足して予測できるものではない。その子のなかではさまざまな天賦の才が組み合わさっている。その組み合わせは唯一無二のものであり、子どもが秘める創造力は計り知れないほど大きい。偉大なチェリストのパブロ・カザルスはこう語っている。「子どもは自分が奇跡であることを知っていなければならない。世界の始まり以来、自分と同じ子どもが存在したことはなく、世界が終るまでもう一人の自分は生まれないということを」シナジーは、まさに家族の神髄である。家族のメンバー一人ひとりがそれぞれに異なる味わいを加え、家族というミックスができる。子どもが母親に微笑む時、そこに生まれるのはただの共生関係ではない。共に生き、利益を与え合うだけの関係ではないのだ。私の友人のコリン・ホールは、シナジーは愛の同義語かもしれないと言っている。ここで挙げた例以外にも無数の例が、世界を変えるシナジーの力を実証している。しかしシナジーは、世界だけでなくあなたの仕事や人生も変えることができる。シナジーがなければ、あなたの仕事は停滞する。あなたは成長せず、能力も向上しない。市場競争や技術の変化が進むなかで、プラスのシナジーのマインドを持たなければ、市場のなかであっという間に過去の遺物となってしまいかねない。シナジーがな

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