第3の案
22/41

22第3の案に突き当たってしまうのだ。しかし、問題は自分が属している「側」の利害にあるのではなく、考え方にある。本当の問題は、私たちの心のパラダイムにあるのだ。「パラダイム」というのは、私たちの行動に影響を与える思考パターン、あるいは思考モデルのことである。進むべき道を決める時に見る地図のようなものだ。私たちが「見る(See)」地図が私たちの「行動(Do)」を決め、その行動によって「結果(Get)」が決まる。したがってパラダイムを変えれば、行動と結果も変わるのである。一例を挙げよう。トマトがアメリカ大陸からヨーロッパに伝来した時、フランス人の植物学者は、有毒物質と勘違いし、トマトを食べると痙攣して口から泡を吹き、死に至ると警告した。だからアメリカに移住した初期のヨーロッパ人は、トマトを観葉植物として庭で栽培することはあっても、触わりはしなかった。しかしその一方、植民者にとって最も危険な病気の一つはビタミンC不足が原因の壊血病だった。トマトにはそのビタミンCが豊富に含まれている。治療薬が自分の家の庭にありながら、彼らは間違ったパラダイムのせいで命を落としたのである。それから約一〇〇年後に新しい情報が入るとパラダイム転換が起こり、イタリア人とスペイン人がトマトを食べ始めた。伝えられるところでは、トーマス・ジェファーソンはみずからトマトを栽培し、食物にするよう宣伝したという。現在、トマトはごく一般的な野菜である。私たちはトマトを健康的な食物と見なし「See」、食べるという「Do」をとり、壊血病という「Get」を得ることはない。それがパラダイム転換の力である。仮に私が環境保護者で、私のパラダイム、つまり心の地図が美しい手つかずの森林だけを見せているとしたら、それを保存したいと思うだろう。仮にあなたが開発推進者で、心の地図が地下に埋蔵されている

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です