第3の案
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20第3の案私たちが直面する最も厳しい問題、とても解決できそうにない問題も解決できる方法がある。人生のあらゆるジレンマや根深い分裂を突き抜ける道がある。前に進む道がある。それはあなたのやり方でも、私のやり方でもない。それらを超えるやり方である。これまでだれ一人として思ったこともないほど効果的な方法である。私はその方法を「第3の案」と名づけている。対立というのはたいてい二つの側に分かれる。だれもが「私のチーム対あなたのチーム」という図式で考えることに慣れている。私のチームは良い、あなたのチームは悪い、少なくとも私のチームほど良くない。私のチームは正しく、公平である。あなたのチームは間違っていて、不当でさえあるかもしれない。私の動機は純粋だが、あなたの動機は不純だ。私のグループ、私のチーム、私の国、私の子ども、私の会社、私の意見、これらがことごとく、あなたのグループ、チーム、国、子ども、会社、意見と対立する。どんな時でも二者択一なのである。ほとんどの人が、二つに一つの選択しかできないと思っている。だからリベラル派VS保守派となる。共和党 VS民主党、労働者 VS経営者、子ども VS親、保守党 VS労働党、教師 VS学校管理者、大学 VS自治体、農村 VS都会、環境保護者 VS開発推進者、白人 VS黒人、宗教 VS科学、買い手 VS売り手、原告 VS被告、新興国 VS先進国、夫 VS妻、社会主義者 VS資本主義者、信じる者 VS信じざる者、挙げればきりがない。かくして人種差別が生まれ、偏見を持ち、戦争が起こる。二つの選択肢のそれぞれが特定の考え方に深く根ざしている。たとえば環境保護者の考え方は、自然の繊細な美しさとバランスを大切にする気持ちから生まれている。かたや開発推進者は、コミュニティを成長させ、経済的機会を増やしたいと強く思っている。どちらの側も、自分の考えは有意義で理に適い、逆

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