第3の案
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15第1章 ◆ 転換点• 顧客のために解決しなければならない厄介な問題• 訴訟に発展するかもしれないトラブル私は、本書で紹介する基本的な原則を三〇年前から何万人もの人たちに教えてきた。小学生にも話して聞かせたし、企業の CEOにも話した。大学院生、およそ三〇ヵ国の国家元首、ありとあらゆる人たちに教えた。どんな人にもほぼ同じスタンスで話した。本書においても、校庭、戦場、役員室、法廷、台所、どこででもこの原則を実践できるように書いたつもりだ。私は、西欧とイスラム社会のより良い関係の構築を目的としたリーダーシップ・グループの一員である。グループには、元米国務長官、著名なイスラム教指導者、ユダヤ教の指導者、国際的企業の幹部、紛争解決の専門家らが名を連ねている。最初の会合のとき、初日の日曜日は、だれもがそれぞれの思惑を秘めていることは手にとるようにわかった。よそよそしく、ピリピリとした雰囲気だった。私は、先に進む前に一つの原則について話してもよいかとグループに許可を求めた。快諾を得たので、本書のメッセージを彼らに話したのである。火曜の夜には雰囲気は一変していた。個人的な思惑は棚上げされ、最初はだれも予想していなかった最高の解決策に到達した。出席者全員がお互いを尊重し、慈しむ気持ちにあふれていた。その気持ちがまるで目に見えるようだった。元国務長官は私に「これほど力強い会議を経験したのは初めてです。あなたは国際外交に革命をもたらしたのですよ」と囁いた。これについては後で詳しく述べよう。先ほど述べたように、この原則を自分の問題で実践するために、なにも外交官になる必要はない。最近のことだが、仕事と世界全般に関して最大の課題と思うことを世界各地の人々からアンケートを

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